日本の教育になぜ変革が求められているのか(国際競争力の下落)

なぜ学校の児童生徒1人に1台のPCを整備推進するのでしょうか。
(文科省GIGAスクール構想の事業を参照)

目的は複数ありますが、持続可能な経済成長にはすべての業種でICTを使いこなす、というのは今や世界標準となっている、というのが最大のポイントとなっているようです。

しかし、日本の学校教育のICT利活用の状況は、いまや危機的な状況です。

OECD諸国で最下位となっている日本の学校教育コンピュータ利活用の状況こちらにまとめてありますので、参照ください。
「現状分析:教員研修の実施状況と現場の不安」

日本では学生時代はスマホばかりで、コンピュータをほとんど使わないまま社会に出て、慣れないキーボードを使って文書作成するのは会社が訓練する。こういった事態はOECD諸国ではなかなか無いようです。

こんな人材育成のながれから、世界のなかでどんどん国際競争力の順位は下げ続けている日本。

  • Economic Performance(経済パフォーマンス):16位
  • Government Efficiency(政府の効率性):38位
  • Business Efficiency(ビジネスの効率性):46位

これまでと同じことを繰り返すだけの学校教育でなく、社界からの要請に対してどう対応していくのか。

まさに変化が求められています。

その変化は「ICTを使うこと」が最優先事項では有りません。

最も重要な事は、

「答えの決まっていない課題を自ら考えた仮説を検証し、チームで失敗を重ねて異なる文化との協働で最適解を導き出すチカラ」

を身につけるための学習です。

そのためには昭和型の工場労働者を大量に必要とした時代の人材育成から脱却しないといけません。

昭和型の大量生産に必要だった人材育成

・一斉授業で解き方を暗記して正解を導くチカラを反復で身につける学習
・点数や席次を基準とする成績評価
・個人の得意分野を活かすよりも、全体統一の序列で決定された優劣

現代の国際流動性の高い時代に、本当に必要な学びとは到底思えませんね。

そんな昭和型の人材育成から脱却できない社会の負の成果は以下の通りです。

2019年、日本は中国(14位)、台湾(16位)、タイ(25位)、韓国(28位)よりも下の30位日本は2018年より5つ順位を下げています。

図1 IMD「世界競争力年鑑」日本の総合順位の推移

出所:IMD World Competitiveness Yearbook 各年版より三菱総合研究所作成

科学技術教育はどうあるべきか

低迷する日本の技術革新力
世界知的所有権機関(WIPO)は、米コーネル大学や仏INSEADと協力し、毎年「技術革新力ランキング(Global Innovation Index)」を作成・公表している。このランキングに基づくと、日本は2007年には4位であったが、その後2012年にかけて急激に順位を落とした。2013年以降は緩やかな上昇傾向にあるが、いまだ20位前後にとどまっている。近年上位をキープし続けているスイスやスウェーデンはもとより、一度は順位を下げたものの回復を見せている米国や英国などにも大きく水をあけられてしまっている状況だ。技術革新力の低迷は「科学技術立国」の根幹を揺るがすものである。この状況を抜本的に変えるには、初等・中等教育における科学技術教育を見直す必要があるだろう。

(公益財団法人 NIRA総合研究開発機構

では、

「答えの決まっていない課題を自ら考えた仮説を検証し、チームで失敗を重ねて異なる文化との協働で最適解を導き出すチカラ」

を身につけさせる学びとはどういったものがあるのでしょうか。

OECD諸国では標準となっている学習方法のひとつにPBLがあります。

PBL/問題解決学習

問題解決学習法(もんだいかいけつがくしゅう、Problem-Solving-Learning。または「課題解決型学習 PBL、Project-Based Learning」)とは、アメリカの教育学者のジョン・デューイの学習理論。学習を能動的なものと規定し、知識の暗記にみられる受動的なものを脱却し、自ら問題を発見し解決していく能力を身につけていくことに本質をもとめた[1]

出典:ウィキペディア

教育現場で実際にPBLを実践する前に、まずは情報収集をしましょう。

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