今だからこそ、社会で共有すべきこと
文科省のGIGAスクール構想は画期的です。この機をどう捉えますか?
単に、
「国がカネ出すってよ!さぁ調達だ。」
「予算がなくて学校のネットワーク整備も出来てなかった、、、ラッキー!」
本質は違いますね。
いま、必要なことは何でしょうか。
「そもそも、これからの時代に子どもたちは何を学ぶべきなんだろう。」
「今までの教育の繰り返しでは本当にいいの..?」
「そもそも授業って何?」
こういった本質に目を向ける上で、最良のチャンスが到来したと、喜びましょう。
これから最高の作戦を練って最大の成果を得るために、まずは現状分析から始めましょう。
日本の学校教育とICT
1.現時点で、日本の学校現場にはコンピュータが配備されている。
しかし…
購入されても使われない日本の教育用PC
資料提供:国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)主幹研究員・准教授 豊福晋平先生
2.生活習慣や地域との関わりの指導は教員に任せるのが当たり前の日本
教員依存度1位:日本教職員組合サイトより引用
日本の「教員依存度」が4か国中最も高かった教育活動(全16項目中11項目)
生徒との関わり 休み時間などに子どもと遊ぶ・過ごす、児童会・生徒会活動など活動指導、部活動やクラブ活動に関する指導 生活習慣やマナー 食生活に関する指導 生徒との関係 生徒をしかりやすくなった、生徒との双方向による授業の減少、生徒の考えを聴く余裕がない、学級全体を掌握しにくい 学校行事の準備と指導 教育方針や行事予定などの情報提供、保護者との電話連絡・保護者会など学校行事に関する指導 地域との関わり 奉仕活動に関する指導 生徒の進路指導 キャリア教育、進路指導 その他 放課後などに補習をする
3.1人1台をいま学校に導入したら誰が管理保全するのか?
世界の中でも異質な、授業以外の業務の多さに翻弄される日本の教員がデータから見えてきます。
教員研修を充実させようと計画している自治らいも多いです。
教員の業務として、新たな何百台という教育コンピュータの管理保全業務を追加することは最適解でしょうか。
OECD国際教員指導環境調査(TALIS)2013年調査結果報告書から財務省まとめ資料より引用
本質に目を向けるために大切なことは外を知り、己を俯瞰すること。
世界一の教育と名高い国にはそれなりの積み上げた理論と実践があります。
地元の実態を詳しく精査することも重要ですが、海外の状況やその仕掛け、仕組みを理解することは、課題の本質を見抜くことに繋がります。
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TALIS(OECD国際教員指導環境調査)とは
TALIS(Teaching and Learning International Survey:国際教員指導環境調査)とは、学校の学習環境と教員の勤務環境に焦点を当てた、OECDの国際調査です。職能開発などの教員の環境、学校での指導状況、教員への評価やフィードバックなどについて、国際比較可能なデータを収集し、教育に関する分析や教育政策の検討に資することを目指しています。
PISA調査とは
(Programme for International Student Assessment )
OECD生徒の学習到達度調査(PISA)
OECDが進めているPISA(Programme for International Student Assessment)と呼ばれる国際的な学習到達度に関する調査に、我が国も参加しており当研究所が調査の実施を担当しています。PISA調査では15歳児を対象に読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの三分野について、3年ごとに本調査を実施しています。
研究所内に調査実施のためのプロジェクトチームが部・センターをまたがって組織されており、国際研究・協力部が総括的な事務局を担っています。
なお,OECDによるPISA調査に関するホームページは, OECD-PISAから見ることができます。
OECDとは
現在、OECDの加盟国は以下の35か国となっています。
(1)EU加盟国(22か国)
イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、フィンランド、スウェーデン、オーストリア、デンマーク、スペイン、ポルトガル、ギリシャ、アイルランド、チェコ、ハンガリー、ポーランド、スロヴァキア、エストニア、スロベニア、ラトビア。
(2)その他(13か国)
日本、アメリカ合衆国、カナダ、メキシコ、オーストラリア、ニュージーランド、スイス、ノルウェー、アイスランド、トルコ、韓国、チリ、イスラエル。