何のためにICTを使うのか?そもそも授業って何だっけ…クリエイティブな学びの実践に推奨する書籍ベスト5

・学校コンピュータ1人1台の導入

・ICT教育の充実

・IT人材の不足は産業振興の課題

それぞれの立場の人が、いろんな主義主張を唱えています。

ベテランの先生になればなるほど疑問に感じることばかり。

「学校は産業人材育成が目的ではない。」

「授業で大切なことは基礎基本の定着で、学習量の確保が重要だ。」

「英語やプログラミングよりも日本語をしっかりするほうが重要だ。」

まったくその通りです。

現場の立場の意見がもっと様々な施策、方針立案に生かされないと何事も立ち行かなくなります。

2019年度だけで650名の教員研修に対応してきた側からすると、現場の先生方に共感いただく最大のポイントは、

「ICTやSTEM/STEAMは、子どもたちの創造性を豊かにするために活用したい。」

という意見があり、非常に共感しました。

ところで・・・
創造性ってなんでしょうか。
=いま流行りのコトバで言うと・・・

Creativity (クリエイティビティ)

教育の本質に迫る、重要なキーワードの一つですね。
特に若い世代の先生から多く寄せられる質問は、

「いったい、何から指導を始めたらいいんでしょうか。」

現場で授業を持つ側の立場からすると、より具体的な実行内容の示唆が求められています。

子どもたちの創造性を引き出すポイントは・・・

1.ヒントを与えすぎない。指導支援しすぎない。

昭和の学びでは、決まった答えを決まった手順ではじき出すことが最重要でした。

しかし流動性が高く未来の予測が困難な社会においては、重要なことが変化してきている、と言われていますね。

2.探求することから学びを得ることに重点を置く。

オトナでも同じですが、一方的に誰かから与えられたことの価値は非常に低いものです。自ら欲して苦労して得たことは、何よりも変えがたい重みのある体験となります。

3.誰かの困り事の解決や、欲しいと思っていることを満たす事につながる題材設定が重要。

自分のアウトプットが発表や展示物で評価される場合、子どもたちにとって「見てもらうだけでも嬉しいもの」です。「自分の取り組んだ結果が、誰かに使ってもらって、誰かに感謝される。」となった場合の重みは測り知れません。

現場の指導者にとって、そう言った理論や実践は、文字で言語化するほど簡単ではありません。

まずはひたすらインプットしていくことから始めるのがベターでしょう。

そこで、創造性豊かな人材を育成する上で、参考となる書籍、ベスト5!を紹介します。

創造性を育む指導者のヒントになる本 第5位

やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける (日本語)

当たり前の事をやることは、絶対に重要です。ですが、それだけだと保守的で新しいことに積極的に挑戦する心を育むことは難しくなります。楽しみながら失敗を重ね、失敗から学ぶ事を習慣化できることが、創造性の伸長に効果があると言われています。

創造性を育む指導者のヒントになる本 第4位

スティーブ・ジョブズ 1 と2(日本語) ウォルター・アイザックソン (著), 井口 耕二  (翻訳)

  

熱狂的な愛好家たちはまさに信者とも言えるほどのこだわりを持っているAppleの創業者、スティーブ・ジョブズ。
自らが立ち上げた会社から役員会でクビにされたり、倒れかけたAppleの社長に再就任してからの目まぐるしい成功は、彼のクリエイティビティに対する一貫した強い意志と基礎によるものでしょう。有名な金言はたくさんありますが、教育でも響きそうな気がする彼の言葉の一つに

Why join the navy if you can be a pirate? 「海賊に成れるのに、どうして海軍に入ろうとするのか。」

Stay hungry. Stay foolish. 「ハングリーであれ。愚か者であれ。」

ずっとエリート街道を突き進んできた学校の先生にとって、心の底にある何かに響く事、間違いなしです。

創造性を育む指導者のヒントになる本 第3位

ライフロング・キンダーガーテン 創造的思考力を育む4つの原則 (日本語)

学校のプログラミング教育でおなじみScratchを開発したMITメディアラボのメンバーが所属するチームが目指す学びのプロセスを言語化、理論化して教育実践者にとってのハンドブックにした内容です。どの発達段階においても共通できるステップをわかりやすく明示している本であり、まさに学校現場の指導者にとって、参考図書として至高の一冊です。

創造性を育む指導者のヒントになる本 第2位

作ることで学ぶ ―Makerを育てる新しい教育のメソッド (Make:Japan Books) (日本語)

教育に関わる人なら、誰もが知っている偉人にジョン・デューイという教育の大家がいます。現代においても「為すことから学ぶ」という教育理論は絶対に普遍的な真理であると言えます。アメリカが多面的な産業振興を再加速したのはやはりMakerムーブメント(作り手がクール、という社会的な価値観の醸成)によるところが大きいです。アイデアや御託を並べることよりも、とにかく目の前に作品を出して動かしてみれば、人々は心から共感しやすいもの。それをこどもの頃から当たり前のこととして学べたら、世界に作用する人材を育成することも不可能でなくなる気がしますね。

ジョン・デューイ 経験主義教育の大家

《デューイの功績、主義主張》
アメリカで起こった、プラグマティズムが源流。 ★プラグマティズムとはパースが実験的探求の方法を意味するものとして始めて用いた。

それをジェームスにより、根本的経験論として心理的色彩の濃厚な経験論へと導かれた。
デューイはそれらの立場を独自に練成した。それがデューイの経験論。

《デューイの「経験」とは?》
教育環境における、「主体」と「客体」との相互作用のことらしい。

デューイは、「経験」を練り上げ、さらに高い次元へと高めるために、「経験の再構成」を連続的に促すことが重要だと主張しました。

つまり・・・
『為すことによって学ぶ学習』=Learning by Doing

出典:http://center.ed.kanazawa-u.ac.jp/~taguchi/taguo/manabi/educator.htm

創造性を育む指導者のヒントになる本 堂々の第1位!!

やりたいことをやれ 本田 宗一郎  (著)

本田宗一郎夢を力に―私の履歴書 本田 宗一郎  (著)

2冊ともおすすめです。

日本人で世界1位の座に輝いた人物はスポーツや学術など多数いますが、自分の社員から「オヤジ」と呼ばれ愛された方はそういないかも知れませんね。日本がこれからの未来でどれだけ飛躍できるか・・・海外的な自己責任イノベーター育成が必ずしも日本の人材育成にフィットするか分かりません。むしろ、

「チームワークと地道なコダワリによって新しい何かを生み出すこと」

を得意とする日本人・・・これが世界に向き合う上で日本の強みなのかな、という気がしています。

最新情報をチェックしよう!